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自主調査レポート

在留外国人総合調査 「住まいと近隣環境について」

社会課題
2020/10/12
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・地域調査 全国
      但し、居住地は登録モニターの居住地に準じた。
・調査方法 インターネット調査(インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)
・調査対象 20歳以上男女モニター
      ※モニターはリンクオブアジアへの登録者105カ国約15,000人のパネルを活用。
      国別対象の設定は、2019年末法務省「国籍・地域別在留外国人数の推移」の構成比を参照し設定した。
・調査項目 属性項目を含めて70問
・有効回答 1037サンプル
・調査内容 基本属性/保健・福祉(コロナウイルス感染症等の防疫対策)
・調査機関 2020年(令和2年)3月27日(金)配信開始~4月17日(金)調査終了

・わが国では、在留外国人の受け入れに関して、出入国管理法が2018年12月に改正され、2019年4月から施行されています。この改正法は、在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設、出入国在留管理庁の設置等を内容とするもので、これにより多くの外国人が我々と一緒に居住し、働く環境が整備されていくことになります。一方で、こうした外国人を受け入れる我々としての「受入準備」や「人権意識」「多文化共生意識」等課題を抱えています。また、外国人側も「日本の規範知識」「教育、言語、雇用、医療・保健・福祉、災害」等の知識も不足しているのが現状です。

・わが社では、これまで多くの自治体での「健康・介護・福祉・共生・観光・防災・教育」等の計画策定に携わっています。また、SDGsの理念の元、持続可能な社会を目指して、取り組む事業にもこれらの視点を含めています。こうした現状の中で、今後増加し一緒に生活を共にしていく「在留外国人」について総合的な調査が少ないため、「在留外国人を対象とした総合調査」を実施いたしました。

・今回は「在留外国人を対象とした総合調査」の内容について、「在留外国人の住まいと近隣関係」の視点から、関連項目を概括したレポートを報告いたします。

■居住状態や住まいに求める環境

1.居住形態

・全体の過半数(52%)が「民間のアパートや賃貸マンション」であり、年代別にみると20代は「学生寮や学校契約のアパート」が24.5%、40代は「持ち家(マンションを含む)」が24.8%で続いている。居住年数別にみると10年以上の居住者で「持ち家(マンションを含む)」の割合(24.8%)が大幅に増えている。
・国籍別にみても、「民間のアパートや賃貸マンション」が多くを占めるが、なかでも韓国・朝鮮では73.5%と、全体より10ポイント以上高い割合を占めている。その他の国をみると、フィリピンやブラジルでは「会社の社宅や会社契約のアパート」が、ベトナムやネパールでは「学生寮や学校契約のアパート」が2番目となり、後者の国々では留学生比率が高いことを反映している。アメリカや台湾は、「持ち家(マンションを含む)」の割合が他国よりも高い。

2.住居探しで重視した条件

・住居探しで重視される4条件は、「公共交通のアクセスの利便性」(54.3%)「会社や学校の近接性」(50.2%)「適切な間取り・家賃」(43.8%)「生活環境の利便性(食事・買い物・余暇施設)」(42.2%)である。
・特に女性においては、「公共交通のアクセスの利便性」(66.1%)と「適切な間取り・家賃」(52.3%)の2条件で、男性を大きく上回っている点が特徴的である。
・年代別にみると、「会社や学校までの近接性」は年代が低いほど重視され、「災害リスクが少なく治安がよい」は年代が高いほど重視される傾向がみられる。
・国籍別にみると、アメリカと台湾、ブラジル・ベトナム・ネパールが比較的近似した傾向を示し、特にアメリカと台湾は「公共交通のアクセスの利便性」と「適切な間取り・家賃」の割合が非常に高くなっている(前者は80%を超え、後者も60%を超える)。
ブラジル・ベトナム・ネパールは、「自然(公園・山・川など)が近くにある」が他国よりも高い割合(30%超)を示している。

3.住居を探した際の困りごと

・住居探しにおける主な困りごとは、「保証人がいなかった」(37.4%)「家賃が高かった」(35.4%)「外国人という理由で入居を断られた」(32.2%)であり、いずれも30%を超える割合を示している。特に女性では、“保証人の不在”と“外国人であること”の割合が男性に比べて高い。年代別では、20代で「家賃が高かった」(37.6%)が一番の困りごとになっている。

■住まいの近隣での生活に関して

1.自治会の加入状況

・近隣の自治会への加入割合は全体で23%に過ぎない。
・回答者の属性別にみると、特に加入率が低いのは「女性」(13.6%)「20代」(7.9%)「ブラジル」(4.5%)「アメリカ」(10%)「台湾」(10%)「留学生」(7.7%)「人文知識・国際業務・技術」(9.9%)などである。
・自治会加入・非加入に関わらず、国籍別に日本人住民とのつきあい状況をみると、東南アジア系(ベトナム・フィリピン・ネパール)やアメリカ・台湾は、比較的親しいつきあいがみられるものの、東アジア系(中国・韓国)や台湾はつきあいが希薄である。

2.日本人とのつきあいの中で感じる不安や問題点

・「不安はない」が約3割で最も多いものの、「共通の話題がない」「つきあうきっかけがない」「文化や習慣の違い」(日本の文化・習慣、自国の文化・習慣の両方)は、いずれも2~3割が不安を感じている。日本への居住年数に比例して、多くの不安・問題点は減少傾向にあるが、「共通の話題がない」「日本人が近づいてこない・避けられている」「差別的な雰囲気を感じる」については、居住年数に関わらず一定の不安・問題が存在する。
・国籍別の違いは大きく、アメリカとブラジルが過半数で「不安はない」とする一方で、台湾、中国、韓国・朝鮮などの近隣諸国は、「不安はない」と回答する割合が低い。

3.生活で困っていることの相談相手

・全体では「同じ国籍の友人」(61.1%)「日本人の友人」(40.6%)「所属先の同僚」(38.9%)など、個人的な友人関係が相談の中心だが、国籍や在留資格別にみると、各種団体や組織への相談が多いケースもみられ、民族性や生活環境なども影響していると考えられる。
・国籍別にみると、中国、アメリカ、台湾は友人関係に偏っており、フィリピン、ブラジル、ベトナム、ネパールは教会や国際交流協会、自国系の店など、比較的多様な相手に相談する傾向がある。
・在留資格別にみると、「永住者」「日本人配偶者」「定住者」は、友人関係以外に「行政」への相談も20%を超える。「技能実習」や「技能」も、友人関係以外に各種組織への相談割合が高まる傾向がみられる。

4.生活情報を得るのによく利用するメディア

・全体、性別、年代別とも、「自国媒体」(TV・雑誌・新聞・HP)>「日本媒体」(同左)>「SNS」>「LINE」の順で利用されるが、国籍別にみると「SNS」と「LINE」の利用比率に大きな差異がみられる。
(アメリカと台湾では「SNS」が80%を超え、台湾では「LINE」も76%、ブラジルやネパールやフィリピンでは「SNS」「LINE」ともに低い利用率になっているなど)

添付のレポートにおいては、この他に居住地域別に住まいや近隣関係を概括した項も収録しており、当該情報も参考にしていただけると幸いである。
 ※なお、居住地域の偏在が大きいため、「東京都」「その他首都圏」「京阪神・愛知県」「その他」の4つの地域分類にて概括したものである。

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