■調査の背景
2018年(平成30年)9月6日の未明に発生した「北海道胆振東部地震」により、北海道内のほぼ全域にわたる大規模停電(ブラックアウト)が発生しました。
株式会社サーベイリサーチセンターでは、地震発生から約1か月後の2018年(平成30年)10月5日~10月8日にかけて、札幌市内に居住するインターネットリサーチモニターを対象とした、災害発生から応急対応段階の生活支障の評価や対応について、アンケート(自主調査)を実施しました。
「北海道胆振東部地震」から1年という節目に、地震当時の札幌市民の皆さまの経験の縮図、生活の一端をとりまとめた本紙が、今後の災害への備えや心構えとして、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
■調査の概要
●調査地域 北海道札幌市内
●調査対象 札幌市内に居住する20歳以上男女(かつ地震発生当時に札幌市内にいた人)
●調査方法インターネット調査(インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)
●調査内容地震発生時の状況/ライフラインの状況/停電の影響/日常生活の回復状況/
「料理」がふだんどおりできない期間に工夫・機転で対応できたこと(自由記述)/
「通信」がふだんどおりできない期間に工夫・機転で対応できたこと(自由記述)/ など
●有効回答1,000サンプル
●調査期間2018年(平成30年)10月5日(金)~10月8日(月)
●資料の見方 Nと表記がある数値は、構成比(%)算出の基数(調査数)である
構成比(%)は、小数点第二位を四捨五入しており、合計が100.0にならない場合がある
M.A.と表記がある設問は、多肢式(複数回答可)のため、合計は100%以上となる
■実施体制
●調査主体 株式会社サーベイリサーチセンター
SRC情報総合研究所
●監修・協力 東北大学災害科学国際研究所
准教授 佐藤翔輔
【北海道胆振東部地震の概要】
2018 年9月6日 03 時 07 分に胆振地方中東部の深さ 37km で M6.7 の地震が発生し、北海道厚真町
で震度7、北海道安平町、むかわ町で震度6強を観測したほか、北海道から中部地方の一部にかけて震度6弱
~1を観測した。
(地震調査研究推進本部・地震調査委員会「平成30年北海道胆振東部地震の評価(2018.10.12)」より)
●地震発生時刻が午前3時台であるため、回答者の87.8%が自宅内におり、85.7%が就寝していた
●とっさの行動では、「その場で様子をみた」、「テレビ・ラジオで地震情報を知ろうとした」、「家族や周りの人に声をかけた」が多く、屋外への飛び出しなどは、ほとんどみられなかった
●一部では、とっさに「家具や壊れ物を押さえたりした」との回答がみられる
●未明の時間帯のため、「火の始末・・」の必要は少なかった
●避難所での避難生活を要した人は、回答者の約2%
●水道の断水は、回答者の4人に1人が「あった」と回答しており、そのうちの76.0%が地震発生の翌日中に復旧している一方、2割以上が土曜日以降まで復旧に要している。水道の断水は、集合住宅のポンプなど停電要因による断水も含まれる
●ガスの停止は、回答者の5.1%が「あった」と回答している
●停電は、早ければ揺れの最中、遅くとも振れの後10分程度の間に、8割近くに達している
●日常の生活行動が、ふだんどおりにできるようになるまでに、特に時間を要したのは【洗濯】【入浴】で、これらは、ふだんとは違う方法や違うもので補うことを含めても、「あまり」あるいは「まったくできなかった」との回答が多い
●【料理】や【通信(電話・メール・インターネット等)】は、地震当日には半数以上が、ふだんどおりにはできない状況だった。【料理】は、ふだんとは違う方法や違うもので補うなどを含めて、半数以上が「十分」あるいは「おおむねできた」と回答しているが、【通信】は「あまり」あるいは「まったくできなかった」が過半数
●【料理】がふだんどおりにできない時期に、工夫や機転で対応できたことを具体的に記述式で回答してもらった
●テキスト型(文章型)データを統計的に分析(テキストマイニング)した結果を、わかりやすく以下に図示する
●【料理】に関する工夫や機転の記述について、論旨ごとにグループ化した件数の分布をまとめると以下のとおり(回答者1,000人、分類した論旨数は1,194件)
●【通信(電話・メール・インターネット等】がふだんどおりにできない時期に、工夫や機転で対応できたことを具体的に記述式で回答してもらった
●テキスト型(文章型)データを統計的に分析(テキストマイニング)した結果を、わかりやすく以下に図示する
●【料理】に関する工夫や機転の記述について、論旨ごとにグループ化した件数の分布をまとめると以下のとおり(回答者1,000人、分類した論旨数は1,122件)