■調査の背景
2018年6月18日7時58分頃に発生した「大阪府北部地震」(最大震度6弱)において、地震発生後の近畿圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)でのうわさ・流言の拡がりの実態を探ることを目的として、調査を実施しました。
■調査結果のポイント
・うわさ・流言は主に「テレビ」と「Twitter」で拡散。「LINE」は主たる要因ではなかった。
「テレビ」、「Twitter」を媒介として、流言が拡散されている。流言を「LINE」で知ったという人は多くはない。SNSの中では「Twitter」が、最もうわさ・流言の拡散の要因となっていた。
・ライフラインや交通に関する流言は、拡がりやすかった。
人の生活に直結する、「断水」などライフラインや交通に関するうわさ・流言の他人への伝達率は高い。また、特に「箕面市全域の断水」のうわさ・流言は、見聞きした人の6割以上が信じていたことから、混乱をもたらしたことがわかる。
■調査概要
・調査地域:近畿圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)
・調査対象:調査地域に居住する20歳以上の男女個人
・調査方法:インターネット調査
・有効回答:800サンプル
・調査期間:2018年8月23日(木)~2018年8月29日(水)
■対象者の属性
・大阪府北部地震発生後に広まったうわさ・流言を見聞きした人は3割以上となっている。
・見聞きしたうわさ・流言の具体的な内容は、「京セラドーム大阪の屋根に亀裂が入っている」「(動物園から)シマウマが逃げた」などとなっている。
・いずれのうわさ・流言も主に「テレビ」と「Twitter」から見聞きしている人が多い。シマウマが逃げた、京セラドーム大阪の屋根に亀裂、外国人が窃盗などの犯罪を引きこす、は「テレビ」が最も高く、阪急電車が脱線、京阪電車が脱線、箕面市の全域で断水は「Twitter」が最も高くなっている。
・箕面市の全域で断水といううわさ・流言を入手した人の6割以上が、そのうわさ・流言を「本当のことだと信じた」と答えている。以下、「本当のことだと信じた」割合の高いうわさ・流言は、阪急電車が脱線、外国人が窃盗などの犯罪を引き起こす、京阪電車が脱線の順となっている。
・箕面市の全域で断水、阪急電車が脱線、京阪電車が脱線といううわさ・流言を知ったメディアは、いずれも「Twitter」がトップであり、「Twitter」から入手したうわさ・流言も信憑性をもって受けとめられている場合がある。
・京阪電車が脱線、阪急電車が脱線、箕面市の全域で断水、といったライフラインや交通に関するうわさ・流言では、見聞きしたうわさ・流言を、「家族・友人・知人」といった他人に伝えた割合が4割前後と高い。