・調査地域:広島県安佐北区及び安佐南区
・調査対象:調査地域に居住する 20 歳以上の男女個人
・調査方法:インターネット調査(モニタに対するクローズド調査)
・調査内容:土砂災害当時の状況/土砂災害当時の情報の認知/土砂災害での避難や安全確保行動など
・有効回答:400 サンプル
・調査期間:平成 26 年 12 月 5 日(金)~12 月9日(火)
平成 26 年 8 月豪雨による広島市の土砂災害は、気象観測上も類を見ない「突然の豪雨」により、多くの人的・物的被害が発生した事象です。
本調査は、この土砂災害を題材に、被災した地域を含む安佐北区及び安佐南区を調査対象地域として、土砂災害発生当時の状況、情報の認知状況、避難や安全確保行動の実態の把握や、今後、土砂災害が発生した場合に被害を軽減するための教訓を探ることを目的として、調査を実施しました。
・本調査対象者の被害状況は、全体では 7.2%の人が何らかの被害(自宅周辺の被害も含めて)にあっている。
・土砂災害発生以前、地域での土砂災害の危険性について、21.3%の人しか危険性を感じていなかった。
・土砂災害発生時(8 月 19 日 21 時頃~8 月 20 日 10 時頃までの間)に感じた異変については、「雨の強さが異常だった」を挙げる人が 87.0%、「雷がひどかった」が 78.3%である。
・土砂災害発生時(8 月 19 日 21 時頃~8 月 20 日 10 時頃までの間)に、何らかの避難や安全を確保するような行動をとった人は 31.2%で、3 人に 1 人の割合となっている。
・避難や安全確保のきっかけとして、「雨の強さが異常だった」が 80.8%、「雨の降る量が異常だった」が 74.4%を占めている。
・異変を感じた際、「避難したほうが良いかどうか考えた」人は 10.5%にとどまる。
・避難をしなかった人にその理由をたずねると、「大丈夫だと思ったから」が 54.6%、「特に危険だと思わなかったから」が 36.7%となっており、雨の降り方などに異常を認めつつも、避難するまでには至らないと判断した人が多かったことがうかがわれる。
・土砂災害発生時(8 月 19 日 21 時頃~8 月 20 日 10 時頃までの間)に情報を得た媒体については、 「テレビ」が 74.5%で最も高い。
・広島市や広島県の「防災情報メール」、あるいは「Yahoo!防災情報メール」「ちゅーピーメール(中国新聞社)」といった登録型の防災情報メールについては、登録者数は少ないものの、登録者の中で 「情報を得た」とする人の割合がいずれも 6~7割と高い。
・「LINE」「Facebook」「Twitter」といった SNS が近年情報の発信・入手手段として注目されているが、本災害発生時において、これらから情報を得た人はそれぞれ2~3 割にとどまる。
・土砂災害発生時(8月19日の 21 時頃~8月20日の 10 時頃までの間)に広島市や気象庁などか ら出された様々な情報を見聞きした人は全体で 43.5%。
・登録型防災メールサービスと SNS 等両方登録している人では 55.2%が聞いており、こうした登録 型防災メール等に登録していない人では 39.9%であった。
・全体として避難した人はきわめて少なく、登録型防災メールサービス登録有も SNS 利用者登録有も その情報収受から避難には結び付いてはいない結果であった。
・土砂災害の被害を減らすための施策について、「土砂災害の危険性のある場所は宅地開発をしない」と の意見が 51.0%を占める。
・また、「ハザードマップ等で危険な場所を公表する」が 65.0%、「土砂災害防止法に基づく「土砂災害特別警戒区域」の指定」が 43.5%を占めており、ソフト面の施策を求める声が多い。