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自主調査レポート

SRC自主調査003「第2回 東日本大震災の復興に関する調査」

防災・災害
2013/06/28
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・調査地域:宮城県気仙沼市、女川町、亘理町、福島県南相馬市
・調査対象:調査地域に居住する 20 歳以上の男女個人
・調査方法:訪問面接法(傾聴面接)
・調査内容:現在の暮らしむき・考え/付き合いの変化/家計の状況/自宅再建の課題・重視点 など
・有効回答:453サンプル
・調査期間:平成 25 年 4 月 20 日(土)~23 日(火)

 本調査は、東日本大震災から 1 年が経過した昨年から、被災地の住民の方々における「復興」の実態について明らかにすることを目的として企画されました。昨年調査では、「復興」の意味するところは、被災地それぞれによって相違がみられ、それに対応した政策推進も異なるものであることが明らかとなりました。
 震災の発生から 2 年が経過した現在でも、「復興が進まない」という報道が多くみられるところですが、継続調査となる今年度の調査では、被災地の住民の方々にどのような心理的・環境的変化がみられるのかを明らかにすることを目的として実施しました。

分断される家族

 震災以後に、3 世代家族から夫婦世帯や核家族、もしくは単身世帯へと家族の姿は変化している。震災 2年後の状況も、1 年後の様子をとらえた昨年状況と大きく変わっていない。仮設住宅の構造による制約に加えて、仕事や放射線の問題も影響していると考えられる。
 具体的には、一人暮らしの割合が震災前の10%から21%へ、 2人家族が28%から39%へと大きく増え、逆に震災前には 28%占めていた 5 人以上の世帯は 11%と半分以下になっている。平均でみると震災前には3.5 人だった同居家族数は震災後には 2.6 人と 1 人減っていることになる。

 また、自分の子どもと同居している割合は震災前の 54%から 38%へと、また孫と同居している人の割合も 19%から 7%へと減少している。

 昨年との比較では、同居家族数は大きく変わっていないが、付き合いは減ったと感じている人が昨年の24%から 34%へと増えている。震災直後には活発だった家族・親族付き合いが、ここにきて若干低下している恐れがある。これは、地域の付き合いが増えたと感じている人が1年目の12%と比べて2年目には21%と増加しており、地域の付き合いが活発化しているように見えることと対照的である。

生活は落ち着きをみせたが、続く将来不安

 生活が「落ち着いてきた」と感じている人は 23%、「少し落ち着いてきた」と感じている人は 49%と、合わせると 7 割以上が 2 年たって落ち着きを感じている。実際に、6 割以上の人が、「少しずつ前向きになっている」(64%)、「周囲に笑顔が増えてきている」(61%)と感じるようになっている。

 その一方で、「生活に張りがない」(43%)、「気持ちばかりがはやる」(36%)、「頑張ることに疲れる」(34%)と感じる人も少なくない。また、地震から 2 年たった現在、「将来どこに住むか」をいつも考えている人が 53%(1 年前は 44%)、よく考えている人が 21%(1 年前は 24%)、「商売・仕事・収入など経済的なこと」をいつも考えている人が 33%(1 年前には 22%)、よく考える人が 16%(1 年前は 22%)と、将来不安は依然として改善されていない。
 実際に、震災前と比べて家計が「非常に苦しくなった」人は 21%、「少し苦しくなった」人は 23%と、昨年と比べて減少しているものの、4 割を超えている。むしろ、非常に苦しくなったとする人は若干ながら増加しており、昨年よりも経済環境が悪化した被災者が現れている。

 「心配事があってよく眠れない」(36%)や「気が重くて憂鬱になることがある」(36%)といった精神的ストレスを示す人の割合も 1 年前と比べて若干悪化している。
 これらの結果から、被災者を取り巻く環境が全体的には落ち着きを見せる一方で、長引く避難生活に家計の悪化、先の見えない復興といった課題に大きな変化はなく、被災者はこれらを背景としたストレスを、それぞれの生活の中で依然として感じていると考えられる。

再建資金と復興計画の遅れ

 自宅を再建する上で感じている問題として、56%が再建資金を、51%が行政の復興計画の遅れをあげている。これらの制約条件以前に、年齢や元の場所に戻れないことも 4 割の人があげている。
 再建をする上で重視する点は、津波から安全であることを最も多い 69%が非常に重視すると回答している。
被災者の多くは、1 年前と同水準で、津波に対する防災対策を極めて重視している。
 このほか医療機関や福祉施設、店舗といった施設があげられ、生活上の不可欠な機能として重視されている。また、知り合いの存在という、地域社会の再建をあげる人も少なくない。

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